「テレビは簡単に人を殺せる」 そう先輩ディレクターが言っていた。 私は前職でテレビ番組制作会社に勤めていた。 毎日のように怒号が繰り返される環境で走り回り、精神的に滅入っていたのだが、先輩ディレクターが言ったこの言葉だけは異様に私の記憶にこび…
「自己分析なんて時間の無駄です」 就活が本格的に始まる前に、とある就活生向けのセミナーに行った際に、講師の方が何度も言っていた言葉だった。 「自己分析をしている暇があったら、自分にあった会社を探すほうがいい。皆、ブランドを求めて大手企業ばか…
「〇〇大学の〇〇と言います」 とある就活生は全力で大手企業の人に名刺を配っていた。 私はそんな風景を横目で見ながら、名刺配っても意味があるのか? と思っていた。 その時、私は就活というものをしていた。 大学入学当時は「就活なんてしないで自分の道…
「何でこの人の周りにはいつも人が集まってくるのだろう?」 私はカリスマ性ある人と会った時、いつもそう思っていた。 学生時代に私は、インタビュー記事を書いてはwebサイトにアップするアルバイトをしたことがあり、何度か世の中で活躍している著名な方と…
「何も考えるな! その場その場で感じろ」 芝居の先生は何度も彼に怒鳴りつけていた。 舞台という名のステージの上に立つと、四方八方から照明が当てられ汗が吹き飛ぶくらいにどっと溢れ出るものだ。 彼は汗だくのまま、芝居の稽古をつける先生に何度も怒鳴…
「自分は好きなことで生きて行く」 高校時代はそんなことを思っていたと思う。 教師との進路面談の時も私は生意気なことを言っていた。 「私は好きな芸術の道で生きて行きたいです。だから、美大受験を考えてます」 確か、私は教師にそう言っていたと思う。 …
「あなたお名前は何でしたっけ?」 私は昔から、一度あったことある人にもよくそう聞かれる。 二ヶ月前にあったじゃん! フェイスブックも友達申請してあるじゃん! そう心の中で唱えるも再び名刺交換に応じる。 私は本当に昔から人に名前と顔を覚えてもらえ…
「自分が成長できる環境に身を置きたいと思います!」 身にしみてないスーツを着て、ビシッと心構えている就活生がそう言った。 私はそんな真剣な眼差しで語る就活生たちを見て、自分も昔はこうだったのか…… と思い、感慨にふけっていた。 私は就活に失敗し…
私は昔から浮足立っていた。 毎日のように満員電車に乗って、学校に通い、往復する毎日だ。 東京の満員電車は大変だ。 電車の中に詰め込まれ、身動きが取れないまま、ひたすら黙って耐えるしかない。 ウォークマンを聞いたり、本を読んだり、大半の人はスマ…
「なんで自分は弱いのか……」 私は半ばパニック障害になりながら、その時電車に乗っていた。 怪物の口が開くかのように満員電車のドアは開いていた。 なだれ込むかのようにその口の中に入っていく人々。 私は電車に乗っていく人々を前にして硬直していた。 会…
私はその日、テレビを見ることができなかった。 いつもお世話になっている同世代のライターさんが注目されて、30分間の特集番組が放送される日のことだった。 番組の詳細が公開されると同時に私の周りにはいろんな反応があった。 「おめでとう」 「すごい…
この映画はなぜか私の前に現れた。 その日は夜予定が空いていたので、いつものように家で映画を見ようと思い、DVDデッキを再生し始めた。 それは、有名な俳優が怪演をしたと言われる映画だ。 アカデミー賞脚色賞にも選ばれ、70年代のアメリカに根づいてい…
「次は新宿〜新宿」 私は人でごった返している満員電車に乗りながら、都心の方に向かっていた。 東京では朝の7時から9時までは通勤ラッシュだ。 おじさんから中高生までがひしめき合う電車内の中で、私はつり革に手を当て、 駅に着くのを心待ちにしていた…
「負のオーラ出ているよ」 親に子供の頃から私はよくこう言われて育った。 「また負のオーラ出てる」 「本当に周りの人をネガティブにするからやめて」 そんなことを周囲からよく言われていた。 私は子供の頃からとにかくネガティブ思考だった。 「こんなこ…
「書けない……」 それは最近の私の悩みだった。 とあるライティング教室と出会い、書くことを一から学んでいったが、どうしても書ける時と書けない時のバラつきがある。 私は元々書くことは好きだった。 大学時代もいつも、脚本ばかり書いていた。 しかし、一…
「ガシャン」 私は自転車から転げ落ち、顔面から地面に叩きつけられていた。 自分の中にあった視界が、一瞬凍結していた。 ぐるっと視界が回ったかと思うと、目の前には地面があったのだ。 一旦停止した脳の思考回路が再び動きを始めた。 顔の辺りから痛みを…
「ホーチミン行きのバスのチケットをお願いします」 私は滞在しているカンボジア・シェムリアップのゲストハウスで、ベトナム行きのバスのチケットを購入していた。 旅を始めてからまだ一週間ほどだった。 これから一月ほどかけて、カンボジア、ベトナム、ラ…
「普通とは?」 とある本屋さんでこのタイトルの雑誌を見かけた。 表紙は小松菜奈でどこかサブカルチャーくさい雰囲気を出している雑誌だ。 メイビーの「普通とは?」とという特集を読んだのは、去年の11月だった。 その頃、私はライティングの魅力に気づ…
ゴミの92年生まれを知っているだろうか? ネット上でも、度々話題になった92年生まれの悲惨さ…… 私は92年に生まれたゆとり世代だが、確かに92年は他の年に比べて、有名人の数も少ない気がする。 92年生まれが悲惨といわれる所以は、その年に生まれ…
「あの橋の向こうには何があるんだ」 私はブルックリン橋を見ながら、そう思っていた。 大学生の頃、私は世界の中心を見てみたいと思い立ち、アルバイト代で金を貯めて、 一週間ほどニューヨークに行ったことがある。 マンハッタン島は驚きの連続だった。 本…
「また、こいつか……」 ツイッターをやっていると、週に2、3回はある職業の人からフォローを受け取ることがあると思う。 それは、ゆとり世代が生み出した新しい職業かもしれない。 自由を謳歌し、自分らしい生き方を常に模索する平成生まれのゆとり世代は、…
「この本は読んでおいた方がいい」 とあるベンチャー企業を立ち上げた友人にこう言われた。 私は最近、文章を書くようになって、嫌でもインプットが足らず、本をなるべく読むようにはしていたが、ビジネス書だけはどうも苦手だった。 まず、ビジネスをやって…
私はこのアニメを舐めてかかっていた。 本当に舐めていた。 始まりは、とある人が書いた文章がきっかけだった。 「大人になってからもまどマギだけは見たほうがいい」 フェイスブックでシェアされていた記事を見たとき、私は何で大の大人が魔法少女もののア…
「仕事をやっていく上でのやりがいは何ですか?」 就活生が企業説明会で必ずと言っていいくらいする質問だ。 そんな質問をされた時、人事担当者はいつも困惑しながら 「お客様と一対一で相談に乗れることですかね」 など、マニュアル的なことを言って話題を…
「なんで人と同じ行動ができないんだろう」 子供の頃からこのような悩みを持っていた。 私はとにかく団体行動が苦手な子供だったのだ。 クラスの中でも常に浮いた存在だったと思う。 友達も割と少なかった。 昔からしゃべることが苦手で、人と面と向かって話…
「なんだこれ」 私はとある本屋さんで、この本を手に取っていた。 それは絵が下手くそな人でも描けるようになるコツを伝授してくれる本らしい。 店員さんは「この本めちゃくちゃ面白いですよ」と意気揚々と喋っていた。 私は帯に書かれている文章に目がいっ…
「本当に深い感情は時空も現実も物理法則も超える。ミュージカルで人が突然踊り出すのはそれなんだ」 映画「ラ・ラ・ランド」のチャゼル監督がインタビューで答えていたものだ。 私は学生時代に350本以上の映画を見ていた。 今思うと、だいぶおかしい。 …
就職活動…… それは私にとって最大のトラウマでもある。 「なんで私は選ばれないの……」 就活中にずっと思い悩んでいた。 私はマスコミ中心に30社以上受けていたと思う。 テレビ局から広告代理店など、なんか受かったらカッコイイ会社を中心に受けていた。 …
私は狂ったように映画を見続けていた時期があった。 それは大学時代だった。 毎日のようにTSUTAYAに通い、毎回10本以上の映画をレンタルしていた。 本数で行ったら年間350本以上だった。 浴びるように映画を見ていたのだ。 休みの日などは朝6時に起き…
「ひらめいた!」 風呂場の中で、私は飛び起きた。 今ひらめいた記事のネタを頭の片隅に置いて、私は急いで風呂を出る。 忘れないうちにメモを取らなきゃ。 だけど、忘れるようなネタは大したことないものか…… 私は大抵、記事のネタを思いつくのは風呂場の中…