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今をときめくサイバーエージェントの藤田社長が、「麻雀からビジネスを学んだ」と語る理由

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「この本は買わなきゃ!」

私は直感的にそう思った。

 

本屋で通勤の時間に読む本を選ぶとき、私は基本的に表紙を見て、ピンときた本を直感的に選んで買うようにしている。

 

なんだかんだ自分の価値観を変えてくれるような本と出会うときは、たいてい直感的に「この本いい!」と感じた本なのだ。

 

アマゾンなどを見て、本を買うときも同じだ。

レビューがたくさん書かれているとか星マークが多いとかはあまり見ないで、表紙とタイトルを見て、直感的に「いい」と感じたらクリックする。

 

いいものと出会うときはいつも直感が一番正しい気がする。

 

私は普段生きていても直感というものをわりと信じる方だ。

「あ! この道に進んでいったらなんか面白いことがありそう」

道を歩いていても、直感的にこっち行ったらいいことありそうだと感じたら、なるべく直感を信じてそっちに進むようにしている。

 

何も考えずに直感に信じて進んでいった先に、中学の同級生とばったり遭遇したり、有名人と出会えたりすることが自分の経験上、何度かあった。

 

 

迷ったら自分の直感を信じたほうがいい。

私は結構、そう感じるのだ。

世間の流れに沿って、型にはまった道に進んでもろくなことがなかった。

内定がないからという理由で、特に行きたいとも感じなかった会社に就職することにしたのだが、あまりにも仕事がハードすぎて数ヶ月で辞めてしまった。

 

会社に入った瞬間、「あ! この会社やばいな」と感じたのにだ。

内定が出ないのはやばい。

同級生たちに会わせる顔がないと焦るあまり、選択を間違えてしまった。

 

結局会社を辞め、辛い転職活動を続けているうちに、直感的に「ここがいい!」と思えるような会社と出会えた。

まだ、働き出して半年ぐらいだが、なんとか続けられている。

 

やはり、就活などの人生の岐路に立たされた時、理性的な決断よりも己の心から感じるような直感が一番正しい気がするのだ。

 

なんであの時、こんな決断をしてしまっただろう?

そんな後悔をする時は決まって、周りの空気に合わせて焦った状態で決断してしまった時だった。

 

 

就活でそんな経験をしたため、決断を下す瞬間というものにやたらと興味を持ってしまった。

 

就活や結婚といった人生の岐路に立たされる時、運というか縁というものが大きな要素だったりするだろう。

 

だけど、今自分にはいい流れがきている……

いい方向に運命が進んでいる。

そう感じ、後悔のない選択ができるかどうかは己の直感に頼る部分が多い気がするのだ。

 

 

私のような平凡な人生でなく、大企業を立ち上げ、ビジネスという名の戦場で戦い抜いた著名人たちは、一体どういった決断を下し、勝負の時にどのような選択をしているのか?

そんなことが気になって仕方がなかった。

 

その時、この本と出会った。

まず、タイトルに惹かれてしまった。

 

「運を支配する」

 

 

著者はプロ雀士である桜井章一氏とネット業界の風雲児と言われるサイバーエージェント社長の藤田晋氏である。

 

なんでサイバーエージェントの社長が麻雀のプロ雀士と一緒に本を出してんだ?

 

最初、私はそう思ってしまった。

 

サイバーエージェントと言ったら、日本でトップクラスのベンチャー企業である。

あまりネットの世界に疎い私でも、その社名ぐらいは知っていた。

藤田社長は、最年少で上場を果たし、アメーバブログを成功に導いた今も活躍するベンチャー起業家だ。

 

新書のビジネス本なので、表紙が黄色で覆われただけで、カバーもなく、

どんな本なのか、パッと見わからなかった。

 

だけど、直感的にこの本はきっと面白い。

今をときめくベンチャー起業家が、なんで麻雀のことを語っているのか気になってしかたがなかったのだ。

 

それにタイトルに惹きつけられた。

「運を支配する」

 

一体どういうことなんだろう?

私は早速、本を購入し、読んでみることにした。

 

 

読んでみて驚いた。

え? 藤田社長って「麻雀最強位」タイトル持ってんの!

 

麻雀を全く知らない私だが、とにかく藤田社長の麻雀愛に驚いてしまった。

本を読んでいくと、藤田社長の麻雀への情熱が異常なことがわかるのだ。

 

大学時代に麻雀と出会い、雀荘に居座っている時に伝説のプロ雀士である桜井章一氏と出会ったらしいのだ。

 

 

この本の中には何度もこう書かれていた。

「僕は麻雀からビジネスのことを多く学んでいたかもしれないって最近、気がついたんです」

 

ビジネスとは銃がない戦場と言われている。

私は起業した経験もなく、何も大きなことが言えないが、

20代でベンチャーを起業した私の同級生も同じようなことを言っていた。

 

起業するということは、見た目はかっこいいが、とにかく大変らしいのだ。

銀行から融資してもらい、何時間も、何日間も真っ暗闇の中を突き進む。

起業すると休日なんてあってないようなものだ。

1日15時間ぐらい働いて、何年も耐えて、ようやく黒字になっていくという。

 

 

 

藤田社長は最年少で上場を果たした後、3年間赤字経営を続けていたという。

ずっと孤独に耐えてしのぎ、ようやく会社が軌道に乗ったらしいのだ。

 

藤田社長はネットバブルの時に、成功していった経営者と消えていった経営者を見ていくうちに、ビジネスは麻雀の勝負に似ているなと感じたらしい。

 

「勝負の時に運を引き寄せられるかがビジネスの世界では必要」

 

東大を出てようが、どんな有名な大企業に勤めていようが、ビジネスの世界では経歴など何の役にも立たない。

 

有名な大学を出ている優秀な人がみんな事業に成功するかといったら、そうはならない。

そうはならない理由が、「勝負の時に運を引き寄せられるかどうか」だという。

 

リスクと恐れず、勝負に出るか? 出ないべきか?

赤字を出している事業を見切るべきか。

 

一つ一つの問題を正しく選択し、運を引き寄せていける能力がある人、ない人がビジネスの世界でも麻雀の世界でも、勝敗を左右する。

 

勉強ができて、MBAを持っているビジネスマンが全員優秀であるわけではないのだ。

自分の前に現れた運をきちんと引き寄せられる人、一つ一つの選択をきちんと間違えずにできる人が、ビジネスでもアスリートの世界でも生き残る。

 

サイバーエージェントの藤田社長は世間的に言ったら成功者と言われる人だ。

最年少で上場を果たし、サイバーエージェントは今では3000人の社員を抱える大企業へと成長していっている。

 

多くの人が藤田社長のことを「運のいい人だ」と評するが、この本の中で藤田社長はこんなことを言っていた。

 

「別に幸運がたまたまやって来たわけではありません。自分のタイミングで勝負せず、その時を見極め、運に合わせているだけなんです」

 

 

この本の中では藤田社長が尊敬してやまないプロ雀士の桜井章一氏と麻雀やビジネス、アスリート達が経験する勝負どころについて詳しく書かれている。

 

麻雀やビジネスに興味がない人でもきっと、人生の岐路に立たされ、選択を迫られた経験があるだろう。

 

そんな選択を迫られた時に、正しい選択をするにはどうすればいいのか?

そんなことがこの本の中には書かれてあるのだ。

 

起業した人が読むのもいい。

あるいは、転職をしようか迷っている人が読むのもいい。

 

きっと、自分の選択について、改めて考えさせられる本なのだと思う。

 

自分はこれから雑音に満ちた社会で生きて残っていくためにも、この本は何度も読み潰していくつもりだ。

 

 

紹介したい本

「運を支配する」      著者 桜井章一 藤田晋       幻冬舎新書