ライティング・ハイ

年間350本以上映画を見た経験を活かしてブログを更新

上司との飲み会には絶対参加しなきゃいけないもんだと思っていたけど……

 

「また、飲み会か……」

社会人となるとどうしても金曜日の夜に飲み会が入ってくる率が高くなる。

「花の金曜日」とバブルの時には言われ、金曜日の夜になると、町中に酔っ払った人が溢れ出す。

みんな会社でのストレスなどを発散したいのだろう。

私は飲み会は嫌いではないとは思う。

だけど、心底苦手なのだ。

 

もっと会社のいろんな上司の人たちのことを聞きたい。

もっと仕事のことを聞きたい。

もしくはプライベートの内容を聞きたい。

そんなことを思い、上司から飲み会に誘われたらなるべく参加するようにはしていたが、どうしても心のそこでは「飲み会なんて行きたくない!」と思っている自分がいた。

 

飲み会が大の苦手なのである。

人が集まっているところで、会話が展開されていても、読解力が著しく良くない自分には、会話の流れについていけなくなることが多々ある。

 

みんなが盛り上がっているのに、会話のネタについていけず、いつもうずくまってしまうのだ。

なんで今この話題が面白いんだろう。

なんで目の前の人はこんなにも笑っているのだろう。

 

あまり自分でもいうのもなんだが、私はとにかく人の感情を読み取ることが苦手な人間らしい。世の中ではアスペルガー症候群という。

(医者に行ったことがないから本当かどうかわからないが)

 

アスペルガー自閉症の一種だ。

人の感情の読み取りが著しく苦手で、対人関係が常に不安定であり、一つのことに異常に集中してしまう……

自閉症の一種だが、人とのコミュニケーションが著しく苦手なアスペルガー体質の人たちは、たいていはうつ病を併発してしまうという。

人の気持ちがよくわからず、自分が思ってもいない場面で相手を傷つけてしまう場面が多々にあるのだ。

 

私自身もそんな対人関係に悩むような幼少期を過ごしていた。

友達を作ろうにも、相手の気持ちがわからず、会話がちぐはぐになってしまうのだ。

冗談を言われても、冗談の意図がわからずに、真に受けてしまうことがよくあったのだ。

 

学生時代にはそんな自分に嫌気がさして、家に閉じこもってしまった時期もあった。

 

 

どうして自分は人の気持ちがわからないんだ……

 

対人関係に悩み、人とのコミュニケーションに悩んでいた私は、自分の殻に閉じこもることにした。

 

飲み会に行っても、いつも隅っこでうずくまっているだけだし……

何も面白くないし……

 

そう思った私は大学時代には、ほとんど飲み会というものには行かなかった。

飲み会に誘われて参加しても、いつも後悔してしまうのだ。

あの時、こんなトークで返しておけばよかった。

あの人ともっと話しておけばよかった。

 

会話がちぐはぐになり、行き詰まってしまう場面がよくあった。

そんな度に私は、息を詰まられ、パニックを起こしてしまっていた。

気持ちを整理整頓していっても、飲み会の後に来るのは、妙な罪悪感だけだった。

 

 

飲み会が嫌いというわけではない。

だが、心底苦手なのだ。

人の目線を気にしすぎて、身動きが取れなくなってしまうのだ。

 

飲み会が苦手な自分は人とのコミュニケーションをうまく取ることができない。

そう思っていた。

 

人脈を作る人間は、たいていはみんな飲み会に行きまくっていて、人とのつながりを広げていく人だ。

社内でも優秀な人は、飲み会の席でも優秀である。

上司に気を効かせるのが上手な人は、会社での評価も高い割合が多い。

 

上司の心を読み取って、きちんと気配りができる人間はやはり仕事も優秀なのだ。

 

私はというと、本当にその気配りが異常に苦手なのだ。

もっと意識的にやれよという人もいるかもしれないが、どんなに意識しても相手の感情を読み取って、きちんとコップを注ぐということが心底できない。

 

どのタイミングで、どんなことをして欲しいのか?

いつも上司の心を読み取ろうとしているが、どうしても気配りに気を効かせられない。

 

 

どんな業界でも、社会に出て頭角を現してくるのは、たいてい人脈作りが上手い人だ。

飲み会に積極的に参加し、いろんな業界人と顔見知りな人ほど、キチンした人脈ができている場合が多い気がする。

 

私のように飲み会の席で、いつもうずくまっているような人間には、良い人との縁もないのかもしれない。

 

そう思っていた。

 

 

しかし、ブックライターが書いた本を読んで考えがガラッと変わってしまった。

 

ブックライターとは、フリーランスの職業だ。

編集者から頼まれた仕事を、著者にインタビューし、内容を8万字の本にまとめるという作業だ。

フリーランス契約のためブックライターをやっている人は、とにかく人脈がものをいう。

人とのつながりがないとフリーランスの仕事は務まらないのだと思う。

 

そのブックライターが書いていたとある文章がとても心に響いた。

それは

「飲み会に参加しても人脈は広がらない。営業をしないのが一番の営業だ。

きちんとした仕事ができる人間には、自然と仕事が集まってくる。飲み会に参加する暇があったら、目の前の仕事を死に物狂いで取り組んだほうがいい」

 

 

私は今まで飲み会こそ人脈を作る最良な手段だと思っていた。

しかし、違うのだ。

きちんと目の前の仕事を全力でやっている人には、自然と仕事が集まってくるのだ。

 

無理に飲み会ばかり参加しても時間の無駄なのだ。

目の前の仕事をきちんとこなしていけば、脈の輪が広がってくる。

社内や世の中の評価も変わってくる。

 

私はこれまで飲み会が大の苦手な自分に嫌気がさしていた。

飲み会の前になると、いつも気分が暗くなり、終わった頃には妙な罪悪感に陥っていた。

どう頑張っても飲み会が苦手な私の性格は直りそうにない。

 

会社問わず、人とのつながりを築こうと思ったら、無駄に飲み会に参加するのではなく、目の前の仕事にきちんと向き合っていれば自然と人が集まってくるのではないかと思う。

 

営業をしないことが一番の営業なのだ。

きちんと仕事をこなす人には、自然と信頼が芽生え、人が集まってくるものなのだ。

 

私は上司との飲み会には絶対行かなきゃならないと思っていた。

心の底では上司に気を使ってばかりで、苦痛だと思っていたが、案外飲み会に誘われても無理していかなくてもいいのかもしれない。

 

目の前の仕事に全力で取り組んでいる人には自然と人が集まってくる。

そう思うのだ。