ライティング・ハイ

年間350本以上映画を見た経験を活かしてブログを更新

どうしても負の感情に包まれそうになったら……  

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自分でもわかっているつもりなのだけども、とにかく私はマイナス思考だ。

一つうまくいかないことが出てしまうと、ど〜と溢れ出るようにマイナスな考えが頭に浮かんでくる。

 

きっと、これは駄目だ。次も駄目だ。

あ、あ、あ……

 

そんなところが少なからずある。

人と接する時も同じだった。

とにかく昔から対人恐怖症みたいなところがあって、人前で話すのが大の苦手だ。

 

モゴモゴ喋らないで。

そう何度も注意されてしまう。

 

初対面で会った人でも、ちょっとした仕草で相手の人はこういう人だと思いこんでしまう節があり、身動きが取れなくなってしまうのだ。

仕事で会った人でも、名刺交換の場で、ちらっとよそ見していた人がいたら、

「あ、この人自分に興味がないんだな」

 

「きっと、この人はこういう人なんだな」

そう思い込んでしまい、この人はこういう人だとレッテルを張ってしまう。

 

「お前、思い込みが激しすぎる。あの人は見かけと違ってそんな人じゃないよ」

そんなことをよく上司に注意されてしまう。

 

思い込みが激しすぎる。

確かにそのとおりだった。

 

その思い込みの激しさもあって、いったん負の感情に包まれてしまったら、

深海に一人潜り込んでいくように、ずず〜と負の感情が湧き上がってきてしまうのだ。

 

あ、今日は駄目だ。気分を変えなきゃ駄目だ。

そう思うと、いつもトイレに篭り、深呼吸をしている。

 

なんで、こんなにマイナス思考なのだろう。

そんなことをよく思う。

 

「きっと、今日はうまく行かない日だ」

と思い込むと、案外いい日になり、

 

「今日はきっといい日だ」と思い込む、案外トラブルが起こって、悪い日になる。

 

そんなことを思い込んでいる部分があるのかもしれない。

 

昔から「今日は駄目だ」と思っていたら、案外いいことが起こったりする出来事がよくあったので、いつからかそういう風な思考回路が出来てしまったのだ。

 

だけど、こんなにマイナスの思考で囲まれた私の脳裏はわりと限界が来る。

ずっと、負の感情に包まれて生活していると、人と接したくてもうまく心を通わせることが出来ない自分に嫌気がついて、ある時、心の糸がプツンと切れたことがあった。

 

あ、もう駄目だ。

いったん、自分から距離を取ろうと思い、海外に逃避行の旅に出た。

インドやら東南アジアをぐるっと放浪したりした。

東南アジアは一ヶ月以上旅に出ていた。

 

今思うと、大学4年の頃から社会人になるまでの間に結構な現実逃避の旅に出ていた気がする。たぶん、就活が嫌で仕方なかったのもあるが、負の感情に包まれた自分が嫌で仕方なかったのだ。

 

全部捨ててしまえ。

そう思い、何かにすがるように旅に出ていた。

 

タイ、カンボジアベトナムラオスと東南アジアをぐるっと廻る。

たぶん、死んだ目で歩いていたのだろう。

 

自分は何をしたらいいのかわからなかったのだろう。

 

旅先のゲストハウスには、日本人のバックパッカーがたくさんいた。

ある人は、脱サラをして世界一中の旅に出ていた人がいた。

ある人は、大学生で就職をする前に旅に出ている人がいた。

 

みんな異国の環境の中、楽しそうに話をしている。

 

だけど、自分は「あ、この人結局逃げてきただけでしょ」

そう思っている自分がいた。

自分も逃げて海外に来ただけなのだが、他の人にも同じ感情を出していた。

 

そんなことを思っている自分が一番ださいと思った。

 

海外に出てきても、何も変わらなかった。

感じなかった。

 

結局、逃げてきたはずの海外でも、どうしても自分の居場所を見つけることが出来ず、疲れたように帰ってきた。

 

 

日本に帰って、転職活動などを初めて、なんとか社会人に復帰することが出来た。

きっと、世の中的には第二新卒でなおかつ新卒の会社を数ヶ月で辞めたような私の経歴をみて、雇ってくれる会社は極端に少ないと思う。

だけど、諦めずに転職をしていたら、ようやく転職先を見つけられた。

 

社会人に復帰して、数ヶ月が経った時、ある日こんな人と出会った。

 

「とにかく書いて下さい」

その方は、20代の全部を小説家になるために一日1万2千字書いていたという。

朝から晩まで小説を書くことを10年間続けていたという。

30歳ぐらいで自分には小説家になる才能がないと諦め、今は本屋の経営者をやっている人なのだが、「ま、これでもか!」というくらい熱い人である。

 

 

「とにかく書いて下さい。書けば人生が変わります」

本当にそうなのかと思った。その方がやっているライティングゼミに何度か通い、文章を書くことが面白くなってきたころもずっと不思議だった。

 

書けば人生が変わるのか?

 

その方はいつもポジティブで、ニコニコと仕事の面白さを語っている。

ポジティブな思考が人を惹きつけるのか、いつも面白い人に囲まれ、クリエイティブな仕事をしている。

 

あ、なんだか楽しそうだなと思った。

 

だけど、時折ふ〜と目が黒くなることがあった。

その一瞬が不思議だった。

なんで、あんなにいつも目をキラキラされて、人と接しているのに、瞬間的にふ〜と目の色が濁る時があるのだろうか。

テレビ取材とかでも笑顔で接しているその方だが、ある時こんなことを言っていた。

 

「今は誰にもわからないと思うのですが、もともと人前で話すのが大の苦手だったんです。人前に出ると、手が震えてきてしまって。だけど、場数でなんとかなりました。人の前で接する機会が増えてくると、少しずつ喋れるようになります」

 

人の前に立っている時、私はその方の手がたまに震えている事に気がついていた。

たぶん、心の奥底には根暗な自分がいるのだろう。

だけど、絶対に人前に根暗な部分を出さないのだ。

 

「書くときは絶対最後はポジティブに終わらせて下さい。ポジティブに終わると、自分の心もポジティブに捉えることができるようになります」

そんなことを言っていた。

 

その日から私は少しずつだけど、文書を書くようになった。

なんだかんだ文書を書くのが好きな自分がいたのだ。

 

書くということはマインドフルネスに似ているかもしれない。

書いて、書いて、書きまくる。

文章の終わりは絶対にポジティブな感情で終わるようにすると、

自分の感情をポジティブに捉えることが出来るようになるのだ。

 

なんだかんだ、自分はライティングを初めて、一年半以上経っている。

今でも、ふと負の感情に包まれてしまう時がある。

 

だけど、そんなときこそ書かなきゃなと思う。

書いて、少しでもポジティブな感情を世に出していると、

ちょっとずつだけもポジティブに世の中を見れるようになるのだと思う。