ライティング・ハイ

年間350本以上映画を見た経験を活かしてブログを更新

負の感情はエネルギー    

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「あ、また負のオーラが出てる」

毎日、満員電車に揺られながら仕事に向かっていると、必ずと行っていいほど、

負のオーラを周囲に放っている人を見かけることがある。

 

電車がガタンゴトンと揺れる度に、その気が電車内に蔓延するかのように散らばっていく感覚。

 

私は毎朝、人でギュウギュウ詰め状態の電車内でこんな光景を見る度に、なんだか変な雰囲気になる。

自分も昔からとにかくマイナス思考な方だった。

 

プラスでポジティブな考え方をしようと思っていても、なぜか不思議とマイナス思考な方に向かってしまう。

 

ポジティブな考え方でもし失敗したら、つらい。

だから、最初からマイナスなことを考えといたら、

良くないことが起こっても自分への精神ダメージが少ない……

 

たぶん、心の奥底でそんな思考回路が出来ているのだろう。

最初からマイナス思考なことを考えていたら、なんとかうまくやりきれる。

 

ポジティブな人の方が魅力的なのはわかる。

だけど、どうしてもポジティブに考えられない自分がいる。

 

どうしたらいいのだろうか。

そんなことを私も負のオーラを発しながら考えているのかもしれない。

 

毎朝、周囲の人に押し込まれながら電車に乗ってしまうと、どうしても耐えられない時がある。

ある種のパニック障害なのか。

胸が苦しくなって、落ち着くために駅に降りたり。

 

この負の感情を何処かにぶつけたい。

人とうまく関われない自分を変えたい。

 

そんな感情が大学時代には爆発してしまい、自主映画ばかり撮って、海外旅行ばかり行っていた。

 

今思うと、よくあんなにエネルギーを発散していたなと思う。

ゾンビ映画を作りたいと思い、30人以上の人を集めて撮影したりもした。

とにかく人に認められたかったのかもしれない。

自分の中でプツンと湧き上がってくる負の感情をどこかにぶつけたかったのかもしれない。

 

私はとにかく有り余るエネルギーをぶつける先を探し求めていた。

 

社会人になって、そのエネルギーをぶつける先が仕事になった気がする。

とにかく早く結果を出さなきゃと思い、外を走り回る毎日である。

自分がしている仕事は営業なので、結果が全ての部分がある。

 

とにかく早く結果を出さなきゃと思い、飛び回っている。

毎朝、夜遅くまで仕事をしていたのだが、ある日

「あれ、自分で仕事しているフリをしているだけじゃん」

そんなことを思った。

 

とにかく結果を出したくて、誰よりも早く会社に来て、誰よりも遅く会社に残っていた。

もっと仕事をしたい。そう思ってがむしゃらに仕事をしていた。

だけど、なかなか成果は出てこない。

眼の前の業務にばかりに夢中になって、肝心の成績が全く出てこない。

日本の会社って結構残業が激しいが、ものすごく生産性が悪いと聞いたことがある。

自分が働いていた一日を計算してみると、無駄な時間があまりにも多いことに気がついて、改めて自分の働き方を見直すようになった。

 

すると、少しずつだが、早く帰れるようになったのだ。

早く帰ったで、また有り余ったエネルギーをどこにぶつけていいのかわからなくなった。

 

帰宅ラッシュの電車の中でも、他者から自分を守るため、私の心はどんどん硬くなっていった気がする。

 

自分の感情を他者からさらされないように、ぎゅっと薄い膜を自分の周囲に貼るようになった。

この膜を作ることによって、自分が傷つかない。

そんなことを考えるようになった。

 

どんどん負の感情が膨れ上がり、いつしか人と喋るのが怖くなってしまった。

他者からの感情を感じるのが怖い。

自分の感情を人に伝えるのが極端に怖くなってしまったのだ。

 

 

負の感情がぐるぐると周り、土日になっても気分が晴れなかった。

このままでは駄目だ。

 

ちょっときつい。

そんな日は公園などで自然を見て、なんとか気分を落ち着かれる。

負の感情に一度包まれると、人間って不思議で世の中の負の部分ばかりに目を向けてしまうことになる。

 

世界中の負のエネルギーを自分で集めている感じ。

周囲に異常に敏感になって、ちょっとした些細なマイナスな出来事も、ものすごく辛く感じる。

 

 

ある日、自分が尊敬してやまないライターさんが書いた本をふと読み直した。

 

なぜかこの本とは縁があって、気がつくといつも自分の手のもとにあったりする。それは就活でパニック障害になったことのある著者が社会に向けた思いをぶつけた本であった。

 

その本の一説に整体師にある言葉を投げかけられたという。

「イライラしたり、悲しかったり、不安だったりする感情は、余ったエネルギーを消費しようとして生まれたもの。うつ病だったリストカットする人の体は実はエネルギーで満ち溢れている。ものすごくタフな体を持っているの。

その巨大なエネルギーを発散する方法がわからないから心の病というかたちで表に出てきてしまう」

 

その本の著者は怒りや悲しみなどの負の感情は別のなにかを芽吹かせるエネルギーなのだと書いてあった。

 

その本を読み直してみてなんだか考えさせられてしまった。

 

自分はとにかくマイナス思考な部分がある。

また、そんな風にマイナスに考えてしまう自分が嫌いで仕方なかった。

もっとポジティブに考えたほうがいい。

そうは思っても、なかなか自分の思考回路や性格を変えられず、有り余るエネルギーをどこにぶつけたらいいのかわからなかった。

 

だけど、負の感情も自分が何かを変えていくエネルギーになるかもしれないと考えると気分が良くなった。

 

 

 

ネガティブは悪いことじゃない。

病気になったり、落ち込んだり、悩んだり、一見マイナスに見える人こそ、実はとんでもないエネルギーを持っている。

 

 

自分もマイナス思考な人間だが、負の感情で包まれてしまい、自分を傷つけるようにななるのは、有り余るエネルギーをどこにぶつけたらいいのかわからない人が多いのかもしれないなと思った。

 

フリーターやニート、会社を辞めてしまう人、

世の中には有り余るエネルギーを発散する術がわからないまま彷徨い歩いている人が多いのだと思う。

 

社会から逃げているのではなく、エネルギーをどこにぶつけたらいいのかわからない。

自分も未だに何処に向かってエネルギーをぶつけたらいいのかわからない。

だけど、少しずつ世の中を明るい目で見れるようになった気がする。

 

毎朝電車の中で見かける負の感情に包まれている人を見ても、なんだか優しい目を持って見れるようになってきた。