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ライティング・ハイ

年間350本以上映画を見た経験を活かしてブログを更新

アカデミー賞を取った映画「ムーンライト」を見て、人生に多大な影響を与えているバタフライ効果を思い出さずにはいられなかった

 

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正直言うと、私はこの映画のことは全くのノーマークでした。

学生時代は年間350〜400本の映画を狂ったように見て、自称映画オタク

(たぶん、大学生の中では日本一映画を見てたかもしれない)を名乗っている私は、社会人になってもなるべく話題になっている映画はチェックするようにしていました。

 

攻殻機動隊など公開初日に見て、アニメファンで賑わう新宿の映画館の中、ひっそりと見ていました。ほとんどスカーレット・ヨハンソンの胸ばかりみてましたが……

 

話題になっている映画は基本的に見るようにしているのですが、いかんせん社会人は時間がない。土日に映画館に駆け込んでは、大混雑している映画館で興味ある映画を選ばなければなりません。

 

もし、この選択をミスると、せっかくの休日が丸一日無駄になってしまうんですね。

だから、もう映画選びは必死です。

ありとあらゆる情報をチェックしてから映画館で見る映画を選択しています。

尊敬してやまない映画評論家の町山智浩さんのラジオをチェックしたりして、良い映画選びを心がけているのですが、その日だけはなぜか事前の映画選びをしませんでした。

 

というかやる時間がなかった。

 

今日は何を見ようかな? と思い映画館の公開ラインナップを見ていると、この映画のことを私はすっかり忘れていることに気がついたのです。

映画「ムーンライト」……

 

タイトルだけは知っていました。

 

アカデミー賞の会場で「ラ・ラ・ランド」と間違えられ作品賞を受賞した映画だったので、間違えられた映画として世界的に有名になっていました。

 

私はその時、予告編すら見ていませんでした。

アカデミー賞で間違えられた映画としか認識がなかったのです。

 

まぁ、何も事前知識を持たずに映画館に飛び込むのもたまには悪くない。

そんなことを思って、他に見たい映画もなかったので、私は仕方がなくその映画を見ることにしてみました。

 

私にとって土日に見る映画選びは自分の休日をかけた大きな選択です。

全くのノーマークだった映画を見るのは大きな賭けなんですね。

 

映画館の中は人で溢れかえっていました。

やはり土日の新宿周辺の映画館はどこも混雑しています。

私は隅っこの席に座って上映が始まるのを待機していました。

 

どんな映画なのだろうか?

もしつまらない映画だったら時間を返してくれ!

私はそんなことを思っていたのです。

 

 

映画が始まります。

静まる会場の中で私一人だけ頭をひねっていました。

 

この映画、テーマが重たい……

 

差別に苦しむ黒人たちのとある男の子がひたすらいじめに苦しむ描写が続くんです。

親にも見捨てられ自分の居場所を見つけられない男の子はどう生きていくのか?

そんな重たいテーマを扱った内容です。

アメリカの負の部分を真正面から捉えた映画なんです。

 

ものすごい良い映画なのはわかるけど、画面に酔う……

 

私は揺れ動くカメラに酔ってしまいました。

監督はたぶん、ものすごい気合を入れて長回しのショットを連続で使っているのですが、いかんせん手持ちカメラでぐるぐると回る描写が続くので、酔ってしまいました。

 

あぁ、この映画しんどい……

正直言うと、はじめの30分はずっとそう思っていました。

 

しかし、不思議なことに後半になってくると画面の揺れに目が慣れたせいか映画全体の暗いトーンが心地よく思えてくるんです。

 

月明かりに照らされて青色く輝いている黒人の肌が美しく見えるんです。

とにかくこの映画は今までの映画の常識とは違った色使いをしている映画なんですね。

全体を覆い被せている暗いトーンの上に、鮮やかでカラフルな色のトーンを覆い被せているんです。

カラーコーディネートをしている人が、あえて挑戦的なことをやっているんだと思います。

黒人たちの黒い肌にあえてカラフルな色を当て、光沢をつけて輝かせています。

それがまたとにかく美しい。

 

 

映画にうるさいアカデミー会員の人たちが、この映画を作品賞に選んだのもなんとかくわかる気がしました。撮影技術的にはとても革新的なことをやっている映画なんです。

 

私は映画全体に彩られたカラフルな色のトーンに良い浸っていると、心地よく感じてきました。

とにかくこの映画は内容は暗いです。

しかし、その暗い内容を覆いかぶされるかのようにカラフルな色のトーンが続き、見ていて不思議と心地よくなるんです。

 

この映画は黒人をはじめとしたマイノリティーに生きる苦悩を描いた重たい内容で日本人の私たちには関係ないと思われるかもしれませんが、テーマにしている部分がもっと深いんです。

 

ずっと苦悩を続ける黒人の青年を通じて、「自分は何者かのか? 何になるのか?」という誰もが共通する悩みをテーマにして描いています。

 

私は高校時代に進路選択に悩んでいた時期を思い出していました。

大学に進むべきか? どういった道を歩むべきか?

 

誰もが一度は自分の進路選択に悩んだ経験があると思います。

私はこの映画を見ているうちにバタフライ効果のことをふと考えました。

 

 

カオス理論でよく言われるバタフライ効果は「ブラジルの一匹の蝶の羽ばたきが、テキサスで竜巻を引き起こす」と言われるように、些細な出来事がのちに大きな変化をもたらすということを説明した理論です。

 

 

人生にもそんな変化があるのだと思います。

あの日、あの人と出会わなければどうなっていたのだろうか?

就活であの会社から内定が出ていたら自分の人生は大きく変わっていたのだろうか?

 

誰しもが些細な変化の影響を受けて、のちの人生が大きく変わってしまうような経験が気がつかないうちにあると思うんです。

 

ちょっとした些細な出来事が積み重なって、今の自分が生まれているんだと思います。

 

映画「ムーンライト」もそんな些細な変化がのちの人生を狂わせるということを見る人に伝えています。

 

もし、あの時主人公の心の叫びに声をかける人がいたら、あのような出来事が起こらなかったはず……

 

ある出来事がきっかけで、主人公の人生が大きく狂ってしまうんです。

 

映画の中である人はこう言っています。

「自分が何になるかは自分で決めろ。絶対に他人に決めさせるな!」

 

人生の岐路において、どう選択するかでのちに大きな差が生まれてしまいます。

その些細な変化の積み重ねで、自分の人生が決まってくるのです。

 

自分が何になるかは自分で決めるしかない。

くれぐれも選択を間違えるな。

そんなことを伝えている映画でもあったと思います。

 

私は今だに自分の人生に自信を持てません。

しかし、この映画を見てから少し自信を持って前を見て行こうと思えるようになりました。

 

「自分が何になるかは自分で決めろ。絶対に他人に決めさせるな!」

 

この言葉を胸にしまって、日々生きていく中での些細な変化も大切にしながら自分の

人生に彩りを与えていけたらなと思います。