ライティング・ハイ

年間350本以上映画を見た経験を活かしてブログを更新

何かを「売る」ということは……      

 

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「こんなに本を買ってたのか」

2017年も終わりに近づいてきて、夜中に一人で大掃除をしていた時、ふと思った。

 

あまり棚とか整理していなかったため、私の部屋の本棚はぐちゃぐちゃである。

それを一気に片付けていると自分が今年読んできた本の量に驚いたのだ。

 

「え? こんなにビジネス書読んでいたの!」

 

棚を整理していると、ビジネス書がなだれ込むようにして出てきたのだ。

全て会社に向かうまでに満員電車の中で読んできた本だった。

 

しかも、ほとんどがビジネス書である。

 

学生の頃はほとんど本など読んでこなかった。

小学生の頃から文字の読み書きが大の苦手で、本を読んでも内容が頭にほとんど入ってこなかったのだ。

 

大学受験の時も国語の偏差値は40台である。

日本史やら英語で無理やりカバーして受験競争を乗り切った感じだ。

 

そんな大の国語嫌いだった私が、2017年に死ぬほど本を読んでいたのである。

 

あれ、なんで自分ってこんなに本を読んでいたんだろう?

 

思い返せば2017年は自分の周りの環境も大きく変化していた年だった。

 

去年はずっとフリーターのプー太郎をしていた。

新卒で入った会社を数ヶ月で辞めてしまったため、行く場所もなく、ただひたすら東南アジアを放浪していたりしていた。

 

「どこに向かって歩けばいいのか?」

本当に全くわからなかった。

 

自分は社会人に向いていない。

サラリーマンなんて絶対に無理だ。

 

そう思い、何もやりたいことも見つからず、ただ家に引きこもってばかりでいた気がする。

 

さすがにこのままではダメだと思い、何10社と落とされながらも何とか今の転職先の会社に辿り着くことができた。

配属先は営業である。

 

人とのコミュニケーションが大の苦手な自分に営業なんてできるはずがない。

 

そう思っていたが、さすがにずっと家に引きこもっているのもどうかと思い、

内定をいただけた会社に入社することにした。

 

 

 

営業の仕事を始めてから、驚いた。

意外と仕事が面白いのだ。

 

自分が勤めているのはカメラを扱う会社で、業務用のカメラや映画用のカメラの代理店などをやっている。

 

自分は業務用のカメラの担当だが、初めはとにかく覚えることが多くて死にそうになった。

業務用のカメラのニーズがあるのは、主に自動車産業や溶接の現場である。

 

まさか社会人にもなって、自動車の部品を覚えることになり、溶接の手法を勉強する羽目になるとは思わなかった。

 

最初は嫌々やっていたが、日本の産業を支えている自動車メーカーの人たちと関わるようなり、そこで働いている人たちの姿を間近で見ているうちに、いつしか自分の心も変化してきた気がする。

 

この人たちが日本の自動車を作っているのか……

 

自動車のピストン一つとっても何万人という技術者の人たちが関わって部品を組み立て、毎日夜中までピストンを改良して、燃費がどうすれば良くなるのか?

と研究している人たちがいるのだ。

 

この技術者たちがいるおかげで、日本の自動車は世界一燃費がいいのだ。

 

自動車のワイパー一つ見ても、何万人という技術者たちが日夜改良を重ねている。

そういった技術者の人たちはとても頑固で、まるでリアル「陸王」みたい現場だった。

この技術者の人と対等に会話をできなければ、カメラを買ってもらえるようにはならない。

そう思い、がむしゃらに自動車の部品やら溶接の手法を勉強していった。

 

そして、ビジネス書を読み漁り、「どうしたら売れるのか?」ということを真剣に考えていった。

 

学生の頃は飲食店などでアルバイトをしていたが、

「ものを売る」ということがこんなにも難しいものだとは思わなかった。

 

 

相手のニーズにしっかりと応えなければ、「これを買います!」と言ってもらえないのだ。

 

むしり取るようにしてビジネス書を読み漁り、読むだけでなく実際の営業の現場でアウトプットをしているうちに、少しずつだけどなんとなく見えてきたものもあった。

 

 

結局、自分が相手にどれだけ価値を与えられるのか?

これが一番大切なんだな……と思うようになったのだ。

 

 

 

営業って結局のところ、「相手に認められること」である。

 

結婚も就活も、「自分の価値を相手に認められてもらうこと」

になるので、やっていることは営業の仕事と一緒である。

 

テレアポ一つとっても、相手が「この人と会っても意味がない」

と思われてしまったら、断られてしまう。

 

いかにして相手に価値を提供できるのかが大切な気がする。

 

 

自分は就活の時も海外を放浪していた時もずっと、

「誰かに認められたい」と思っていた。

 

 

「君にはクリエイティブな素質がある」

「人とちょっと違った価値観を持っている」とか、どこかのクリエイティブな広告代理店の人とかに言ってもらいたかったのだ。

 

電通やら博報堂のクリエイティブな人たちなら自分の才能に気づいてくれる。

そんな上から目線な心を持っていた。

 

人に認められたと思って、無理に人脈を作ろうとしても、誰も自分のことを見てくれることはなかった。今思えば当然である。

 

人に認められるには、自分が相手のために何ができるのか?

相手にどんな価値を与えられるのか?

 

このことを考えることが一番大切な気がするのだ。

 

究極のところ、あらゆるクリエイティブな仕事もこの利他の心が大切な気がする。

とにかく相手のためを思って、何かを書く、写真を撮るというコンテンツを作っていくことが、プロというものなのだと思う。

 

この写真を通じて、相手にどんな価値を与えられるのかが一番大切なことな気がするのだ。

 

 

自分はまだ営業の仕事を始めて日が浅いが、社会に出てから多くのことを学んでいった気がする。

むしり取るようにしてビジネス書を読み潰したことも無駄ではなかったのだと思う。