ライティング・ハイ

年間350本以上映画を見た経験を活かしてブログを更新

人生の目標は身近なものに……

f:id:kiku9:20180622063219j:plain 「バタン」

あ、やばい。

 

家の階段を登っている時に、足をつまずいてしまった。

人間、死ぬときは時間がゆっくり感じるとよく言う。

大げさかもしれないが、バタンとつまずいた時、

「あ、これは頭ぶつける」

と脳裏で認識できていても、体がうごかず、時間がスローモーションのように感じた。

 

「手を出さないといけない」

そう思っていても、体が反応しない。

自分の運動音痴具合を再認識してしまった。

 

結局、前かがみのまま頭から壁に突っ込み、

家中に「バタン」という大きな響きを出すことになった。

 

「痛い」

自分の運動音痴具合を嘆いてしまった。

なぜ、転びそうとわかっていて、手が反応しないのか。

 

やっぱり昔からスポーツとかやっておけばよかった。

そんなことを嘆きつつ、自分の体の様子を確かめてみると、

手にはあざができ、頭から壁に突っ込んだおかげでメガネはグチャッと曲がってしまっていた。

 

やれやれである。

 

これは修理に出さなきゃな。

あいにく壁に激突した日は、仕事で外回りをする日ではなかった。

社内整理に当てる予定だったので、曲がったメガネのまま、お客さんの前に経つことはなさそうである。

 

それに軽くおでこにあざが出来ている。

 

「あ、やばい。時間がない」

壁に激突しても、会社には向かわなければならない。

もたもたしていると、いつもの電車に遅れてしまう。

 

そう思った私は急いで身支度を終え、駅に向かって歩いた。

 

会社に着くと、いろんな人からツッコミを食らった。

「え? どうしたの」

 

私が装着しているぐにゃりと曲がったメガネを見た瞬間、上司全員がツッコンできた。

「あの、朝家でズッコケてしまって……」

爆笑された。

 

「何で顔面から壁に突っ込むんだよ」

「手で押さえろ」

などなど自分でも嫌とわかっているツッコミを浴びる。

 あ、運動不足が続くと、こんなことが起きるんだ。

自分の不甲斐なさを嘆きつつ、仕事に取り組んだ。

本当に今日は社内整理の日でよかった。

 

そうこうしているうちに、ある問題にぶつかった。

「あ、今日中にメガネを修理に行かなきゃ」

 

今日はさすがに早く仕事を終えなきゃと思ったのだ。

いつも、尋常じゃない仕事量に没頭しているうちに、なんだかんだ22時やら終電近くの時間まで会社に残っている。

 

さすがに深夜まで開いている眼鏡屋なんてあるわけがない。

ネットでいつも使っている眼鏡屋のことを調べてみると20時で閉まってしまう。

よし、今日はなんとしても18時には仕事を終えよう。

そう思い、朝からかっ飛ばして仕事に取り組んだ。

 

集中していると気がついたら18時過ぎになっていた。

「すいません。今日は早く帰ります」

そう上司に恐る恐る告げ、私は約半年ぶりの定時退社をすることができた。

 

案外、仕事を終える時間を決めてしまうと、きちんと終わるものである。

すっきりとした心で、電車に飛び込んだ。

 

あ、この時間はまだ外が明るいんだ。

 

18時過ぎの暗闇に包まれていく、鮮やかな夕焼けをみていくうちに、

久々にゆっくりとした自分の時間を持てているなと思った。

 

今の時期ってこんなに夕焼けが綺麗なのか。

眼鏡屋に飛び込み、メガネを修理してもらった。

さすが、眼鏡屋の方は仕事が早い。

ものの五分できちんとフィッティングしてもらえた。

 

「これで大丈夫かと思います」

恐る恐るフィッティングしてもらったメガネを掛けてみると、いつもより掛け心地がいい。

「ありがとうございます」

 

「また、いつでも修理にいらしてくださいね」

眼鏡屋に別れを告げ、私はバスに飛び込んだ。

 

いつもは最寄りの駅から徒歩だが、

最寄りまで少し距離があるため、今日はバスに乗ることにしたのだ。

 

バスから夕焼けを眺めていると、ふと感慨にふけってしまった。

いつも私は平日は仕事で埋め尽くされている。

夜中遅くまで仕事しているため、くらくらの状態で電車に飛び込むことになる。

だけど、今の世の中って案外、定時退社が基本である。

 

バスの中は仕事を終えたサラリーマンで埋め尽くされている。

 

あ、本当に今日修理に来れてよかったな。

 

いつもの私だったら、なんだかんだ会社にダラダラ居座り、夜の22時くらいまで仕事をしてしまう。だから、土曜日の貴重な午前中、まるまる使ってメガネの修理に向かうつもりでもあった。

 

 

だけど、貴重な人生の時間、効率よく使わなくていいのかと少し感じたのだ。

 

バスの中、夕焼けを眺めつつ、ふと思った。

「あ、目標を決めてしまうと、案外人間ってその目標に向かって突っ走れるんじゃないか」

 

私は「今日は18時に帰る」と宣言して、その時間に向かって膨大な仕事をこなしていった。

目標を最初から決めてしまったのだ。

しかも、高い目標ではなく、低くて身近な目標に。

 

20代から起業したりする人はいる。

スティーブ・ジョブズもよく「自分の人生の時間を無駄にしないで下さい」

そう言って、23歳くらいから会社を立ち上げ、かっ飛ばして人生の階段を上り詰めていった。

 

いつになっても行動できない人がいる。

その一方で、がむしゃらに目の前の目標に向かって突っ走る人がいる。

 

その違いって、案外、

「今年のうちに〇〇する」と、身近な目標を立てているか、立てていないかの違いなのかもしれない。

 

人生100年時代だと言われている。

いつかすればいいやと思っていると、案外あっという間に寿命が尽きてしまうかもしれない。

 

自分の貴重な人生の時間をどのように使うか?

それは自分次第だ。

 

朝早くから壁に激突したおかげで、ふとそんなことを思ってしまった。

上から目線のことを書いてしまったが、自分も全く行動できてない部類の人間である。

 

行動しなきゃ。

とにかく書かなきゃ。

そんなことを、ふと思った。