ライティング・ハイ

年間350本以上映画を見た経験を活かしてブログを更新

生き方は水の流れのように

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「選択肢が多すぎて、価値観が多様で、自分というものを保てない」

ブログを書き始めて、一年ちょっと経つが、細々と書き続けているうちに、

本当にありがたいことにコメントをいただけるようになった。

 

 

最近は、あまりの仕事の忙しさに書くことをサボり気味であるが(反省しています)、結構前に書いた記事についてコメントをもらえることがある。

 

そのコメントを読むうちに、

「あ、このころはこんなことを感じてこの記事を書いていたんだな」

「この記事を読んで、こんなことを感じた人がいたのか……」

と感慨にふけったりしながら、涙が出そうになったりする。

 

そんな中、いつものようにように終電近くの満員電車に乗っていると、

ブログのコメント欄に書かれてあったこの言葉がす〜と脳裏に焼き付いてしまった。

 

「選択肢が多すぎて、価値観が多様で、自分というものを保てないんです」

 

なんかとてもズシンと心の奥底にくるものがあった。

自分が大学生の頃に感じていたこと、社会人になるようになり常日頃から感じていたことがこの一文に書かれていたのだ。

 

 

「選択肢が多すぎる」

多分、このコメントを書かれた方は自分と同世代なのだろう。

SNSの台頭で、人とのつながりも変化して、いろんな情報が殺到している現代社会でやっぱり自分と同じことを感じている人もいるんだと正直、思ってしまった。

 

選択肢の多様化……

 

 

特にこのことを強烈に感じたのは就職活動の時だった。

 

サイトにアップされている会社情報を見て、何をどう選んだらいいのかさっぱりわからなかった。

 

何でこんなに選択肢があるのだろうか……

 

 

今思えば、どの会社に就職するのか?

どんな生き方をするのか?

 

それを選ぶのは自分自身の問題なのに、当時の私は

「こんなルールを作った社会が悪い」と社会を罵っては、投げやりになりながら就職活動を続けていたのだと思う。

 

一体自分はどんな方向に進めばいいのか?

あまりにも膨大な選択肢の中から身動きが取れないでいる自分がいた。

 

結局、最初についてテレビの仕事はそそくさと辞めてしまい、

海外を放浪するふりをして、逃げてばかりいた。

 

「自分は絶対にサラリーマンなんて向いてない」

「社会人なんて向いてない」

そう思い、できるだけ遠くに逃げたい一心だった。

 

 

逃げるだけ逃げた。

だけど、結局答えなんて見つからなかった。

 

「どの方向に向かって歩けばいいのか」

ずっとその答えを捜し歩き、もがき苦しんでいたのだと思う。

 

数ヶ月ぶりに日本に帰ってきて、さすがにずっとニート生活をするのも嫌だなと思い、転職活動をしたのだが、完全に流されるままになんとか今の会社にたどり着いた感じだ。

 

「あ、再び社会人になるのか。会社勤めなんて絶対に向いてない。

営業の仕事なんて向いてない」

そう思っていたが、案外働き始めてみると、営業の仕事が自分にしっくりときていることに驚いた。

 

毎日、朝から晩まで働きづめだが、思った以上に仕事を苦痛とは感じていない自分がいるのだ。

むしろ営業の仕事にしっくりときている自分がいる。

 

「あれ、ものを売るってこんなにも楽しいことなのか?」

自分は元々、映画が大好きで、できるならそっちの映像業界で働きたいと思っていたが、業務用カメラを業界の人に売るという今の仕事が案外合っていたのかもしれない。

 

仕事をしながら、いろんな人と出会い、価値観と出会い、刺激をもらっていく感じが自分には合っていた。

 

 

生き方なんて考えだけ無駄だと思う人がいるかもしれないが、やはり人生の岐路に立たされる20代くらいの時には、自分の進路というものを嫌という程考えてしまうものだ。

 

自分はどう生きたらいいのか?

どんな仕事に就いたらいいのか?

 

25年しか生きていない自分がこんなことを言うのも恐縮だが、就職に一度失敗し、人生のどん底を見てきた経験を通じて、なんとなくだが見えてきたこともあった。

 

「悩んだら、流されてみる」

 

そのことが案外、一番大切な答えなのかもしれない。

自分が求めていることと社会から求められていることってほぼ100%違っているのだと思う。

 

「自分はこうなりたい」と思っても、周囲からは

「こっちの方が向いているんじゃないか?」と思われていたりする。

 

その自分がやりたいことと周囲が求めているものとのバランス感覚の均衡を保つことって、とてもとても難しい。

 

自分は転職活動の時、何になりたいのかさっぱりわからずにもがき苦しんで、

結局、流されるままに今の営業の仕事にたどり着いた。

 

 

喋りが下手な自分はずっと「営業なんて向いてない」と思っていたが、

元来、どこへでも飛び込んでしまう性格がある自分にはしっくりときている職種だった。

 

自分はこうなりたい。

こんな仕事に就きたい。

そう言った願望とか夢ってとても大切だと思う。

 

だけど、「夢を持って生きよう」「ありのままに生きよう」

というゆとりの教育方針を受けてきて、それにしっくりときている人もいれば、

多様化した生き方に生きづらさを抱えている人もいるのだと思う。

 

生き方って案外、水の流れのようで、流れてたどり着いた環境が自分にしっくりとくる場所だったりする。

 

ひとまず、ありのままに生きようとか関係なく、

たどり着いた環境で自分なりに頑張ってみる。

 

それが多様化した現代社会で一番大切な答えなのかもしれないなと最近は思うようになった。