ライティング・ハイ

年間350本以上映画を見た経験を活かしてブログを更新

レンズ沼にはまる私が、貴重な週末をビックカメラで過ごしている本当の理由

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「あ! いつもありがとうございます」

笑顔で店員さんにこう言われ、つい照れ笑いをしてしまった。

 

「さすがに通いすぎたか……」

 

社会人になってから、念願の一眼カメラを手にするようになり、約半年以上経った。

 

カメラにどハマりしてしまい、最初は標準ズームレンズを買って写真を撮っていたが、

「次はちょっと広角よりの単焦点レンズが欲しい……」

「今度は望遠レンズが欲しい……」

「あっ、もっと解像度が高いGマスターレンズが欲しい……」

 

などと、カメラにハマり、レンズの特性によってファインダー越しに見えてくる景色も違ってくることに気がつくと、ついついレンズが欲しくなってしまった。

世に言うレンズ沼というやつだ。

 

あっ、もっと広角のレンズが欲しい……

写真が好きになればなるほど、このレンズの沼にどっぷりと浸かってしまうことになる。

 

昔からカメラには興味はあった。

映画が好きで仕方なく、映画用のカメラやレンズを扱う会社に入るほど、

カメラや映画が大好きである。

 

結局、担当になったのはハイスピードカメラの部署で、映画の人とあまり関わりないが、まぁ、大好きなカメラに毎日触れられる今の環境は割と自分にはしっくりきているとは思う。

 

カメラが好きで、毎週ビックカメラに通い、レンズを眺めているが

いかんせんレンズは高い。

 

安いレンズでも5万は平気で超えてくる。

最高級のGマスターレンズとなると20万は余裕に超える。

 

あ、いいな、このレンズ。

とレンズをビックカメラで眺めはするものの、到底手が出る値段ではなく、

普段は眺めるだけで終わってしまう。

 

何も買う予定がないなら、別にビックカメラに行かなくても、知り合いの人にレンズを借りたりすればいいかもしれない。

 

しかし、私には毎週ビックカメラに行くのが自分にとって、プラスになることがある。

 

それは……

営業の勉強になるからだ。

 

とにかくビックカメラに行くと営業の勉強になるのだ。

 

私は普段、業務用のカメラを売っていることもあり、少しはカメラには馴染みが深い方だとは思う。

しかし、今の一眼カメラはどこのメーカーの高性能であり、他社と比較してもあまり違いが見当たらない。

 

キヤノンオリンパスソニーニコンFUJIFILMなど多くのメーカーがあるが、あまりカメラに興味がない人が店に行っても、どこのメーカーがどんな特性を持っているのか何が何だかわからないと思う。

 

そんなほとんど競合他社と違いがなくなってしまった現代のカメラ業界で、店員さんたちが凌ぎを削って、自分が担当している部門のカメラをお客さんに売り込む姿を見ていると、とても営業の勉強になるのだ。

 

スペックの違いがない時、どうやってものを売り込むのか?

ある営業マンは大きさの点でソニーのカメラが優れているというかもしれない。

しかし、昔からレンズが豊富なニコンの方が使い勝手がいいことをアピールするかもしれない。

 

自分も普段、業務用のハイスピードカメラを扱い、売り込んだりしているので、

ほとんど解像度で違いがなく、価格の面で競合と負けている時、どうやって売ればいいのかと頭を抱えている。

 

実際に営業の仕事を行い、売り込みに行っているからこそ、ビックカメラの店員さんの営業トークがとても自分の仕事の参考になるのだ。

 

私は普段、ソニーのα7Ⅱというカメラを使っていることもあり、ソニーのレンズを眺めることが多い。

 

 

多分、会社の方針でソニー担当の人は店頭で数秒立っている人には声をかけるようにしているのだろう。

普通にレンズを眺めているだけでも「何かお探しですか?」と声をかけてくる。

 

もちろん、自分の財布事情でレンズなんてすぐに買えるわけではないのだが……

 

うまい営業マンに捕まった時と、下手な営業マンに捕まった時の、

接客時間の満足度が天と地ほどの差があることに最近気がついた。

 

 

とにかく優秀な営業マンに捕まると、レンズを買うことが自分の運命だったと錯誤してしまいそうになる。

 

最近だと、

「このレンズは本当にどこの店舗も品切れ状態だったのですが、ついさっきキャンセルがあったんですよ。今ならすぐにお出しできます」

とマネージャークラスの店員さんに言われてしまい

(多分、相当優秀な営業マン)、

ついつい興味があったGレンズを買ってしまった。

 

 

(冬のボーナスは吹き飛んだが、最高級のレンズなので大満足ではある)

 

つい冬のボーナスを吹き飛ばすほどのGレンズを買ってしまったが、

なぜあの時、営業トークに惹きつけられてレンズを買ってしまったのか考えてみたら、レンズを買うことが運命だと自分で思ってしまったからだと思う。

 

 

 

あの時、心のそこでは「レンズが欲しい。自分の財布事情もあるが誰かに背中を押して欲しい」と思っていた。

そんな時にマネージャークラスの営業マンに理性ではなく、感性に訴えかけられ、ついついレンズに手を出してしまったのだ。

 

結局、人がものを買う時は理性ではなく感性に訴えかけられると「買う」という行動に移ってしまうのかもしれない。

 

 

自分が普段、営業の仕事をしていることもあり、最近はやたらと「買う」ということに興味がある。

 

自分の主観かもしれないが、世の中にある仕事の大半が

「何かの価値を相手に売る」または「価値あるものを相手に提供する」ことだと思う。

 

接客業の人も、商品を相手に売っている。

バスの運転手も乗客を目的まで運ぶ価値を相手に売っている。

エンジニアの人も、時間と人件費をかけて、プログラムを構築することで価値ある情報を相手に売っている。

 

ほぼすべての仕事が結局のところ「売る」ということにたどり着くのかもしれない。

 

小説家やカメラマンなどのクリエイティブな世界の人たちも、

価値ある小説を読者に売り、価値ある写真を編集者に売っているのだ。

 

 

結婚も就活も、結局のところ自分の価値を相手に売るということに結びつくので、この「何かを売る」ということも相当大きな意味を持っている気がする。

 

もともとサラリーマンなんて死んでもやりたくないと私は思っていた。

喋りが下手くそな自分は営業職なんて向いていない。

そう思っていた。

 

だけど、すべての仕事は、結局のところ「売る」ということに結びつく……

そのことに気がついてから、「営業」の仕事が面白くなってきた気がする。