ライティング・ハイ

年間350本以上映画を見た経験を活かしてブログを更新

あの苦悩に満ちた就活の日々も、実は毎日ブログを書く上で役に立っていたと気付いた

 

「なんで自分は選ばれないのか?」

私はずっと就活中に思っていた。

 

「私の長所は〇〇です」

「私は学生時代に〇〇をしていたました」

など必死こいてスターバックスにこもって書いていたと思う。

 

就活を終えた今でも、電車の中で就活生を見かけると、あの苦悩に満ちた就活の日々を思い出していた。

あの時、自分は一体何をやっていたのだろうか?

何だったんだ、あの就活の日々は。

そんなことをたまに思うのだ。

 

ちなみに私は就活を2年連続でやっている。

一回目は大学4年生の時、二回目は卒業したのちに新卒で入った会社を辞め、転職活動した時だった。

 

新卒の就活をしていた時は、とにかく必死だった。

周りの人と差をつけるために、あえて個性的な自分を見繕ったり、自分がしてきた出来事をちょっと盛って喋ったりと自分なりに必死に努力していた。

とにかく会社の人に認められたい一心で自己PRをしていたんだと思う。

 

それで、結局30社以上ほぼ全て落っこちた。

なんでだ。

なんで人よりも努力してきたのに、自分は内定が出ないんだ。

大学の同級生は次々と内定を獲得していった。

私はといえば7月まで内定ゼロだったのだ。

 

 

就活が解禁される1月くらいから少しずつ、大学のキャリアセンターに通い、就活対策を始めていた。

自分が就活をした時は、3月解禁に移行される時だったので、早めに準備を始めなきゃいけないという風潮があったのだ。

大学のキャリアセンターにも口が酸っぱくなるほど、

「早めに就活の準備を! 業界研究を早めにしてください」

と言っていた。

 

私はどちらかというクソ真面目な性格なので、冬休みを使って、山奥にある大学のキャンパスのキャリアセンターに通っていたのを覚えている。

図書館に通っては、自分なりに自己PRをまとめ、エントリーシートを採点してもらっていた。

面接対策の本も読んだ。

私は今思うと、ただ自分は人とはちょっと違っている。

人と違うクリエイティブなものを持っていると信じ込みたかったのかもしれない。

 

電通博報堂のクリエイティブな人なら自分のことを認めてくれるはずだ。

そう思って、他の就活生を見下していたのだ。

同じ黒いスーツを着て、同じような顔つきで面接に挑む就活生に混じり、私はどこか常に傍観者でいたのだ。

 

自分はちょっと人と違うものを持っている。

そんな意味のない自尊心を持って面接に挑んでいた。

 

今ならわかる。

そんな自意識過剰なやつを企業側も雇いたくない。

私は結局、マスコミ中心に受け、30社以上落ちた。

エントリーシートなど50枚以上書き、ほぼ全て蹴落とされた。

 

なんで自分は選ばれないの……

大学の同期が次々と内定を獲得していく中で常にそう思っていた。

 

どうしたらいいんだ。

私は自分なりに今までやっていた自己PRや喋り方を改善していった。

就活対策やコミュニケーションについての本を読みあさり、人を惹きつける喋りについて研究していった。

 

私はとにかく喋ることが苦手だった。

昔から人見知りのことがあり、コミュニケーションをとることに苦手意識があったのだ。

就活で勝つのは基本的にこのコミュニケーション能力が長けている人たちだ。

集団面接の場面でも、自分がどれだけ目立てるか? 

どれだけ議論をまとめることができるのか?

そんなコミュニケーション能力が一番評価の対象になるのだ。

 

「いい大学に入れれば、いい人生を歩める」

今まで私はずっとそう言われてきて育った気がする。

 

勉強すればいい人生が歩める。

いい学校に入れれば勝ち組になれる。

そんな風に思っていた。それは自分以外の人も共通しているのかもしれない。

 

今の公立の小学校に通う小学生のほとんどが私立中学を受験するという。

親御さんも私立のほうが受験対策が充実しているので、子供のためになると思ってのことだろう。

私は中学まで公立に通っていたが、高校受験の際に進学高を受験することにした。

いい大学に入れれば、いい人生を歩める。

勝ち組になれると思っていたのだ。

なんとか苦労しながらも浪人し、大学に入ることはできた。

 

しかし、就活の際に、私は衝撃を受けた。

 

同じ大学を出ても、大企業に入れる人もいれば、どこも受からない人がいるのだ。

 

就活は今までの経歴の逆転が可能であることも確かだと思う。

 

なんだかよくわからないまま、企業の面接官と会話をして

「こいつはうちの社風にあっているな」

と面接官に思われれば、たとえ日東駒専の人でも早稲田卒の人に勝てるのだ。

 

私の学歴はそんなに大したことがない。

決して早稲田卒のエリートであるわけではない。

しかし、同じ面接を受けていた早稲田の人は嘆いていた。

「高学歴になれたら簡単に大手企業に入れると思っていたのに……」

 

確かに同じ早稲田卒でも、倍率1000倍のテレビ局に内定をもらえる人もいれば、どこにも受からない人がいる。

今まで勝ち組になりたければいい大学に入ればいいと思っていたが、実際、世の中そんなに甘くはないのだ。

 

私は今までの苦労は一体何だったんだと思ってしまった。

必死こいて勉強したセンター試験は一体何だったのか?

 

私は就活の時にそんなカルチャーショックを受けていた。

くよくよ憂いていても仕方ない。

世の中そういうものだから仕方ないんだ……

そう思って私は、泣きながらも就活対策の本を読み漁っては、自宅で自己紹介の練習をしていった。

 

結果から言うと、私は就活負け組だ。

30社以上落ちた。

そして、新卒で入った会社もすぐに辞めた。

 

センター試験を必死こいて勉強してきた日々……

そして、あの苦悩に満ちた就活の日々は一体何だったんだろうか?

そんなことをたまに思う。

 

しかし、毎日こうしてライティングに励む習慣をつけてから身にしみて感じたのだが、

あの無意味にしか思えなかった自己紹介も、エントリーシートを書くために必死こいて自己PRを考えていた時間も無駄ではなかったのだと思う。

 

就活をやっている時に、面接対策で私がやっていたことは、

自分の身の回りにあった面白い出来事を切り取って、目の前の人に伝えることだった。

 

書く上でやっているのも基本同じだ。

普段生活している上で、何かを感じ、面白い出来事をうまく切り取って記事という形で相手に伝えることだ。

 

毎日こうしてブログを書くようになってから、就活の時に私はライティングのスキルも無意識のうちに一緒に学んでいたんだなと思った。

 

あの無意味としか思えなかった就活も実は無駄ではなかったのだ。

「点と点はいつか繋がる」

そう、とある世界的な経営者が言っていた。

確かにそうなのかもしれない。

どんなに無意味とした思えないことでも点と点が繋がっていつか実りあるものになる時が来るのだ。

 

そう思えたらどんなに辛い出来事も楽しく思えてきた。

点と点は繋がる。

そう思って私は日々の日常を過ごしている。