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ライティング・ハイ

年間350本以上映画を見た経験を活かしてブログを更新

やたらとライフワークバランスを主張する新入社員がこの本を読んだら……

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「仕事だから仕方ない」

多くの社会人はそう言う。

 

家族を養うためだから仕方ない……

食っていくためだから仕方ない……

 

私はそんな社会人の先輩を見ていて、失礼ながらも

よく好きでもないのにそんな仕事できるな……と思っていた。

 

嫌でやっているわけではなくても、ほぼ社会に出て働いている人の実に97パーセント以上が「仕事だから仕方ない」と思いながら毎日の仕事をしている気がする。

 

満員電車の中に乗っていても、なんだか辛そうにしている人が多いのだ。

仕事が始まる月曜日になると、なおさら疲れた顔のサラリーマンを多く見かける。

 

ゆとり世代で世間知らずな私が言うのは、社会人の先輩に恐縮なのだが、

「仕事だから仕方ない」と言っている人を見るとなんだか悲しくなってしまうのだ。

 

社会人ってこういうものなのか……

仕事ってこんなにもつまらないものなのか……

そんなことを思ってしまうのだ。

 

そう言う私も仕事に対し、生活するために糧とし思っていなかった。

どれだけ労働時間を短くし、多くの給料をもらい、あとはいかにして休日を楽しむか? そんなことばかりを考えていたのだ。

 

労働はあくまで必要悪のような風潮が世の中には漂っている気がする。

やたらとライフワークバランスが主張され、働き方改革が起こっている。

もちろん、元ブラック企業に勤めた経験がある私には、働き方改革で残業に苦しんでいる人が減るのはいいことだとは思う。

しかし、「ライフワークバランスを大切にしましょう」

「仕事ではなく、趣味を充実させましょう」とやたらめったら叫ぶのは何か変な気がしてならなかった。

 

 

昔、webサイトでとあるインタビュー記事を書いていた頃……

出版社の社長がこう言っていた。

「私はライフワークバランスという言葉が大っ嫌いなの!」

仕事と趣味を分ける働き方がどうしても納得できないようなのだ。

 

「本当に上に向かって行く人は仕事が好きで、趣味と仕事を混合させているもの。出版社が休みの日でも、映画を見たりして自分が担当している本に活かしていく」

そんなことを言っていた。

 

 

ライフワークバランスって何なのだろう?

私自身も休日のために働いている感覚がどこかしらにある気がする。

社会人として日々の生活のために仕事している感覚が拭いきれないのだ。

 

 

「ライフワークバランス! ライフワークバランス!」

と主張しているのは、どうも私の周りだけではないらしい。

 

こないだ朝のニュースで新生活を始める社会人についての特集を見ていた時、興味深いものを見た。

 

新入社員の会社選びの基準の第1位が「休日がいかに充実しているか?」なのだ。

自分をはじめ、今の若い人は会社に対し、どんな仕事をしているかよりも、どれだけ休日を取れて、自分の趣味に没頭できるかの方が大切らしいのだ。

 

92年生まれのゆとり世代の私は、「わかる〜」と思うと同時に、何だか納得しきれない妙な感覚に陥っていた。

ちなみに30年前の新入社員の会社選び第1位は「仕事の内容」である。

 

どんな仕事内容なのか? 

仕事を通じて、どれだけ自己表現できるか? 

が最も大切にしていたことらしいのだ。

 

それに比べ、自分をはじめとしたゆとり世代の会社選びは

「どれだけ休日が取れるか?」である。

 

私自身もそんな感じで会社選びをしていたのだろう……

なんだか後ろめたい気持ちになってしまった。

 

 

ライフワークバランスって一体何なんだ?

働き方改革って一体何なんだ?

そんなことを思っていた頃、この本と出会った。

ベストセラーとして有名な稲盛和夫著の「生き方」である。

 

本屋さんの棚に輝くようにして置いてあるこの本を手にし、人生の先輩は働くということをどう考えているのかとても興味深く思ったのだ。

 

私は稲盛和夫という偉大な経営者の存在を知らなかった。

KDDI(今のau)を作ったとてつもない人物らしいのだ。

 

著者はどうやら仏教にとても傾倒しているらしく、仏教用語が本の中でよく書かれてあった。京都の寺でお坊さんになる称号ももらったことがあるらしいのだ。

 

 

仏教に傾倒し、日々鍛錬を重ねている偉大な経営者の言葉は私のような打たれ弱く、ライフワークバランスばかり求めているゆとり世代の心にとても響き渡る。

 

 

労働を通じて、人は人らしくあることが何度も書かれているのだ。

毎日の労働をど真面目にこなし、目の前のことをきちんとやっている人には運もついてくるものだ。

 

「労働には、欲望に打ち勝ち、心を磨き、人間性を作っていくという効果がある。人間としての価値を高めてくれるものでもある。日々の仕事を魂こめて一生懸命に行っていくことが最も大切で、それこそが魂を磨き、心を高めるための尊い「修行」となるのです」

 

労働を修行の場ととらえ、目の前にあった仕事をど真面目に取り組んできたからこそ、著者は人一倍偉大な仕事を達成できたと考えているみたいだ。

自分には特別な才能などなかったという。

ただ、目の前の仕事をど真面目にやっていたら、一歩ずつ点と点が繋がっていき、京セラやKDDIという日本を代表する会社を作り上げることができたのだ。

 

 

私はこの本を読んでから、やたらとライフワークバランスを主張していた自分が恥ずかしくなってしまった。

目の前の仕事にど真面目に取り組むこと。それが結果的に自分の人生に彩りを与えてくれる。

 

誰よりも仕事に対しど真面目に取り組んできた人生の先輩が語る言葉はとても重みが深かった。自分と同じく悩む新入社員の方がいたら、一度は一読してもいい本だと思う。

 

今日も満員電車の中は混み合っているだろう。

だけど、この本に書かれていた言葉を思い出し、私は会社に向かって歩いていく。