海外ドラマ「ミスターロボット」を見て、蔦屋書店の凄さがあらためてわかった
「なんだこのパッケージは?」
私は毎日のブログ更新で、枯渇状態の自分の脳を潤すために、深夜のレンタルビデオ店を徘徊している時に、この海外ドラマと出会った。
毎日記事を書いているとどうしてもネタが枯渇してくるものだ。
自分でも脳のストックがなくなっていることがわかる。
そんな時、私は自分の中のストックを潤すためにも、ハイパークリエイターが作り出した映画や漫画を読むようにしている。
昔から不思議なもので、超絶面白いコンテンツ(映画やマンガ)を見ると、私の脳が活性化されて、映像が頭の中でリピートされていくようになり、面白いアイデアがポンポン浮かんでくるのだ。
ずっと頭の中に、シーンがリピート再生されてしまい、寝れなくなることも度々あった。アイデアがポンポン浮かんできてはメモを取るということを繰り返しているうちに朝になってしまうこともしばしば。
寝れなくなるのは仕事をする上で怖いけど、記事を書くネタを思いつくなら2時間の映画でも見てやる! という覚悟を背負って、私はその時レンタルビデオ店を徘徊していた。
私の目の前にこの海外ドラマが現れた。
「ミスターロボット」。
タイトルを見た瞬間、どこかで見たことがある気がしたいが、どういった内容の物語なのかはさっぱりわからなかった。
どうやらアメリカのドラマ界で、最高の栄誉であるエミー賞を取った海外ドラマらしいのだ。
ち……どうしよう。
私はその時、躊躇してしまっていた。
私は海外ドラマが昔から苦手だった。
超おもしろいのはわかっている。
しかし、自分の健康のためにも海外ドラマを見るのはダメなのだ。
私が海外ドラマが苦手な理由……
それは超ハマってしまい、朝だろうが夜だろうが関係なく見まくってしまう癖があるからだ。
一度海外ドラマにハマるととんでもないことになることを何度も経験しているのだ。
学生時代に「ウォーキングデッド」にはまった時は、二日徹夜でぶっ通し24話分を見て、頭が発狂しかけたことがあった。
「24」もハマるにはまって、本当に24時間ぶっ通してみて、翌日の朝にぶっ倒れ、丸一日動けなくなるという事態になった。
海外ドラマは一度ハマると恐ろしいことになる。
次の回が気になって仕方がなく、朝だろうが夜だろうがお構いなしに見てしまうのだ。
私は何度か海外ドラマにはまってしまい、自分の体が壊れるほど、自家中毒症状になり、吐き気がするほど見まくった経験があったので、今回もまずいんじゃないか? と思った。
この海外ドラマにはまったらまずい。
会社に行けなくなる……
そんな思いがあった。
しかし、私のスカスカになった脳のストックを補充するためにもその海外ドラマを見てみることにしたのだ。
DVDデッキに入れて1話から見てみた。
オープニングからかっ飛ばしてすごいのだ。
なんだこの斬新なショットや映像の数々は。
もう手遅れだった。
ハマるにはまってしまい、10時間ぶっ通しでミスターロボットを見続けた。
なんでこんな面白いドラマを作れるんだ!
なんだこの面白さは!!!!
そのドラマは天才ハッカーを主軸としたインターネット時代の脅威を描いた傑作ドラマだったのだ。
エミー賞をもらった理由もとても良くわかった。
とんでもなく面白いのだ。
まるでハッカー版のファイトクラブのように、世界を変えるためにクレジットカード会社にハッキングを仕掛けるハッカー集団を描いたこのドラマはとにかくSNS時代の人々の苦悩と孤独を見事に描ききっている傑作ドラマだと思う。
私は自分の脳がフルに刺激され、涙がボロボロになりながらこのドラマを見ていった。
主人公が置かれた境遇と自分が重なって見えたのだ。
天才ハッカーのエリオット君は、現実世界ではどもりのせいで、うまく他者とコミュニケーションが取れず、自分の殻に閉じこもっていくことになった。
彼が唯一他者とのつながりを得られたのはネットの世界だったのだ。
相手のフェスブックやサイトにハッキングを仕掛け、個人情報を洗い出し、実際に対面して相手のことを理解するよりも多くのことを知らないうちに知っていくのだ。
自分の孤独に耐えられなくなったエリオットは、他者とのつながりを求めるかのようにしてハッキングを繰り返していく。
その姿はどうもSNSに翻弄されている私と同じ世代には共感できる内容だと思う。
SNSなど所詮、自分を見繕った仮の姿でしかない。
しかし、その仮の姿でしか他者とコミュニケーションを取ることができない人もこの世にはたくさんいるのだと思う。
エリオットは他者とのつながりを求め、リアルな現実の世界に出て行くことになるのだが、私はこのドラマを見ているうちに、とある施設を思い出していた。
それは代官山蔦屋書店だった。
私は大学の卒業論文を書く際に、代官山蔦屋書店についてまとめたことがあった。
この空間は一度行ったことがある人ならわかると思うが、とてつもなくすごい空間なのだ。
広告や宣伝を一切していないのに、人が集まってくる。
皆、あの美しい代官山の蔦屋書店という空間に人が群がるように集まる理由。
それはコミュニティーをつくりたいからだと思う。
他者とのつながりを求めて、人はあの空間に集まるのだ。
創業者の人も同じようなことを言っていた。
「今の時代、人々が求めているものはシェアすることだ。消費社会が行き詰まり、人は物を欲さなくなった。人々が求めたのは他者とシェアするコミュニティーだ」
よく考えれば今の時代、成功しているビジネスの多くが、このシェアということをキーワードにしていると思う。シェアハウスなどが注目されるのもその理由だ。
他者とのつながりを求めて、知らないうちにスターバックスでデスクワークをしてしまうのも無意識化で人はつながりを求めているからだと言われている。
カフェで仕事をする人が多いのも、孤独になることを恐れている部分もあるからだと思う。
SNSやインターネットが普及するにつれ、人はリアルな空間でのコミュニケーションを欲するようになったのだ。
私はこの海外ドラマを見ているうちに、現在に通じるビジネスのあり方もとても深く学べた気がする。
SNSに翻弄される人々……結局、他者とのつながりを再確認できる場はネットではなくリアルな空間なのかもしれない。
そのリアルな空間でのコミュニテー作りに成功している人たちがビジネスの世界で勝ち上がっていくのだと思う。
それにしても「ミスターロボット」……これはとにかくヤバイ。
半端なく面白い!!!!
一度は見る価値がある海外ドラマだと思う。