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ライティング・ハイ

年間350本以上映画を見た経験を活かしてブログを更新

社会の中で、どこかしら孤独を抱えている人こそ、映画「3月のライオン」だけは観たほうがいい

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「負のオーラ出ているよ」

親に子供の頃から私はよくこう言われて育った。

 

「また負のオーラ出てる」

「本当に周りの人をネガティブにするからやめて」

そんなことを周囲からよく言われていた。

 

私は子供の頃からとにかくネガティブ思考だった。

「こんなことうまく行くはずがない……」

「自分なんてダメだ」

と考える癖があり、どうやらそのネガティブ思考が周囲に伝染するらしい。

 

「なんで君はいつも暗そうにしているんだ」

学校の担任にもよく言われていた。

 

なんでなんだろうか?

私はクラスの中でも、とにかく周囲を明るくする華のある人を見て、ずっと憧れを抱いていた。常にポジティブ思考で明るい性格の人の周りにはいつも人が集まってくるものだ。

私のように根っこからネガティブ思考の人には誰も近づいてこない。

 

ポジティブに考えなきゃ。

なんでもうまくいくと考えなきゃ。

そんなことを思っていた。

 

 

今思うと、私が常にネガティブに考えてしまうのは、自分を傷つけないようにするための防衛手段だったと思う。

最初から物事をネガティブに考えとけば、うまくいかなかった時に、自分を傷つけずに済むからだ。

どうせうまくいかない……

そう思っていた方が失敗した時、自分へのダメージも少なくできる。

 

そんなことを思っていた私は、受験もどうせ失敗すると思って受けていたし、恋愛もどうせ失敗すると思って始めていたと思う。

 

とにかくネガティブ思考なのだ。

そんなネガティブ思考が自分の身から出ているせいか、

私の周りには人が近づいてこなかった……

 

自分なんかがいるせいで周りを不幸にする。

それならいっそのこと、自分の殻に閉じこもった方がいい。

 

そして、私は殻に閉じこもった。

朝から晩までひたすら映画を見続けて、誰とも会話をすることを拒んだ時期があった。

 

自分は周りに負のオーラを撒き散らす。

自分なんていない方がいい。

そんなことを思っていた。

 

大学を卒業して、社会に出ても、どこかしら自分は周囲の人を不幸にしているという感覚を根に持っていた。

仕事先でも

「なんでいつも暗いの! もっと明るく振舞ってくれよ」

そう上司に怒鳴られた。

 

自分がいるせいで、周囲を暗くしている。

そんな自意識をずっと抱えて生きていたと思う。

 

 

そんな時、ふと私は公開中の映画「3月のライオン」を観た。

原作は読んだことがなかった。

その日は特に予定がなく、見たい映画もなかったため、仕方なくその映画を見ようと思ったぐらいだった。

 

なんか可愛らしいタイトルにもかかわらず、どうやら将棋の棋士の話らしいという情報だけは知っていた。

将棋のルールぐらいは知っていたが、将棋の棋士の物語ってどんなものなんだ?

さっぱり予想がつかなかった。

 

昔、原作漫画を少しだけ読んだことがあった記憶があるかないかという感じだった。

それでも特に観たい映画はないし、私は仕方なく映画館で「3月のライオン」を観ることにした。

 

全く前情報を持っていなかった。

大した映画じゃないと思っていた。

 

しかし、結果から先にいうと大傑作だった。

もう超大傑作なのだ。

子役から活躍している天才役者の神木隆之介くんの演技がこれでもか! というくらい炸裂しているのだ。

その周囲にいるキャストも見事というしかない演技だ。

漫画原作だからだろうか、どこかしら漫画っぽい表現があったが、それがまたいい。

実写映画と漫画の世界観が見事に馴染んでいる気がした。

 

原作をきちんと読んでないため、役者の人がどれだけ原作に近づけているのかよくわからなかったが、原作を知らない人も知っている人も満足できる映画だと思う。

とにかく将棋の対局シーンが凄まじい。

あれほどまでに血肉を削って、プロの棋士は対局に挑んでいるのか……

私はスクリーンに映る、剣を使わない、命をかけた真剣勝負に身震いしながら観ていた。

 

そして、主演の神木隆之介くん演じる桐山零にどこか感情移入している自分がいた。

 

将棋の対局に勝っても、どこかで人をイラつかせ、家族も自分がいるせいでぐしゃぐしゃにしてしまう自分にイラ立ち、桐山は頭がパンクしてしまう。

 

ずっと孤独を抱えながらも自分がいるせいで周囲を不幸にしていくと思っていたのだ。

私はそんな主人公の桐山を見ていると、昔の自分を思い出しているようで胸が痛くなってきた。

 

私も同じだったのだ。

自分がいるせいで周りを不幸にしていくと心の底では思っていたのだ。

 

桐山はそんな自分と将棋に真剣に打ち込むことで決別していく。

 

 

「もっと自分自身を大切にしろ!!!!」

そう親友に言われ、自分の将棋を掴み取っていくのだ。

真剣に将棋に打ち込むようになると周囲の人間も変わっていった。

 

そんな桐山を見ていると涙が溢れてきた。

将棋の対局は長い時には何10時間にも及ぶ。

ただ座って将棋を指しているように見えても、棋士達には尋常じゃないくらいの体力が必要なのだ。

プロの棋士となると、長丁場が終わった頃には体重が2キロも減ってしまうことがあるそうだ。それほどまでにエネルギーと自分の体を削ってまで目の前にある将棋に打ち込んでいくのだ。

 

そこは精神的にも肉体的にも人間がやれる限界点までに挑むある種の格闘技なのだ。

自分の血肉を削り、肉体の破片を飛ばしながらも、一歩一歩将棋を指していく。

その一歩一歩の奇跡が積もってどちらかの勝敗が決まる。

私はそんな真剣勝負をする桐山を見ていると涙が溢れてきた。

 

人間何かに打ち込むと周囲の人間関係も変わってくるものだ。

私も世の中をさまよい歩いている時に、ライティングに出会い、毎日書くようになってから自分の周りに集まってくる人も変わってきたと思う。

 

今まで出会ったこともなかった人からメッセージが来たり、いろんな人と出会えるようになってきたのだ。

ライティングを始めたことには、まさかこんな風になるとは思わなかった。

 

「いつも読んでいるよ」

「今度飲もうよ」

などとメッセージをいただけるようになった。

ずっと負のオーラを撒き散らしていた私がである。

 

自分の殻にいつも閉じこもっていた私でも、真剣にライティングに打ち込むようになると自分の周りに集まってくる人も変わってきたのだ。

 

ある人は言っていた。

「書けば人生が変わる」

本当にそうなのかもしれない。

 

何かに打ち込んでいると自分の周りの人間関係も変わってくるのだと思う。

 

映画「3月のライオン」はそんなことも教えてくれる映画だった。

今まで孤独を抱えてずっと一人で生きてきた桐山は、将棋に真剣に打ち込むことで周囲の人も変えていった。

 

自分の孤独に打ち勝つには、自ら行動するしかない。

そんな力強さを教えてくれる映画でもあるのだ。

 

前編だけでも大傑作なのに「3月のライオン」は、4月に後編があるそうだ。

これは見に行くしかない。

 

今から後編が楽しみだ。