ライティング・ハイ

年間350本以上映画を見た経験を活かしてブログを更新

未来に先回りする思考を考えていたら、坂本龍馬が明治維新を達成できた理由がわかった

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「この本は読んでおいた方がいい」

とあるベンチャー企業を立ち上げた友人にこう言われた。

私は最近、文章を書くようになって、嫌でもインプットが足らず、本をなるべく読むようにはしていたが、ビジネス書だけはどうも苦手だった。

 

まず、ビジネスをやっていないため、自分には何の得にもならないんじゃないかと思っていたのだ。

それに自己啓発本というものに苦手意識を持っていた。

人生の教訓を学んでも、本を読んだことだけで満足仕切ってしまう気がしていたのだ。

だから、私は普段ハウツー本というものはあまり読まなかった。

 

「この本は面白い。自分はものすごく考えさせられた」

彼は本に書かれてあった内容を生き生きと語っていた。

実際にビジネスという名の戦場で戦っている彼には、とても痛感できることがあったのだろう。

 

論理的に、しかも的確に本に書かれてあった内容を教えてくれた。

「ビジネスにおいても人生においても、すべてはタイミングなんだ。

未来を予測してここぞというタイミングを掴む感覚の大切さが書かれてあるんだ」

 

あまりにも生き生きと彼が話すので、私はこの本に興味を持ち始めていた。

 

タイミングについての本なのか?

どんな内容なのだろうか?

 

私は早速、本屋に問い合わせてこの本を買って読んでみることにしてみた。

それは21歳の若さで起業し、ものすごい勢いで急成長したベンチャー企業の社長が書いた本だった。フォーブスの「未来を救う起業家ベスト10」にも選ばれた人だ。

 

本のページを開いていった。

電車の中で読み始めたと思う。

 

難しい……

難しすぎる。

 

もし、自分がビジネスをやっていれば読み方も変わっていたのかもしれない。

しかし、ただいまフリーターのプー太郎である自分には、この本はちょっと難しすぎるような気がしていた。

普段も頻繁にブログなどを更新し、文章を書くことが好きな社長本人が明らかに本を書いている。ライターを使っていないのだ。

だからかもしれないが、難しい用語が頻発してきて私は頭を悩まされていた。

 

言いたいことはわかるんだけど、もっとわかりやすく説明してくれないかな……

正直、そう思いながら私は本を読んでいった。

 

明らかIQ200を超えている人が書いた文章なんだ。

自分のようなポンクラにはどうも難しかった。

 

しかし、私は読み続けた。

内容が面白かったからだ。

ものすごく考えさせられたからだ。

 

私はずっと若くして成功するような起業家はコミュニケーション能力も突き抜けていて、人を惹きつける魅力がある人だと思っていた。

 

就活を通じて嫌というほど痛感したのだが、世の中は学歴や経歴はもちろん必要だが、喋りがうまい人が一番強いのだと思っていた。

人生でのし上がっていくような人は頭の回転が早いのはもちろんだが、とにかく喋れるのだ。人を魅了する喋り方を熟知している。

 

能力が高い東大生のすべてが起業して上手くいくとは限らないのはそのためだと思う。

何よりも喋りが上手く、人を惹きつけられる人だけが生き残るような気がしていたのだ。

 

フリーランスの世界などもそうである。

そのひと自身の能力や魅力に応じて「もう一度、この人と仕事したいな」と仕事が振り分けられるのだ。

喋っていて「この人面白い」と思われるかが結構大切なのだと思う。

 

私は昔からどうも喋りが苦手だった。

人とのコミュニケーションが苦手なのだ。

だから、喋りが上手く、世渡り上手な人を見ると、いつもうらやましく思っていた。

自分には到底できないと思っていたのだ。

 

 

しかし、この本では自分の価値観を大きく変えるようなことが書かれていた。

 

「短期間で大きな企業を作り上げた経営者の中でコミュニケーションが高く、人望が厚い人であることは意外と稀。その代わり、共通して持っているものが世の中の流れを汲み取り、今どの場所にいるのが最も有利なのかを適切に察知する能力だ」

 

とにかく成功する人は世の中の流れを汲み取り、タイミングを掴むのが絶妙にうまいのだという。

早すぎても技術が追いつかず失敗し、遅すぎてもライバル企業に追い抜かれてしまう。絶妙に絡み合ったタイミングでビジネスを展開させていくのだ。

 

スマホタブレットのコンセプトは随分昔からあったが、コストが高く、重すぎるなど様々な理由で普及していなかった。端末製造のコストが下がり、ネットの回線が十分に速くなったタイミングで登場したからこそ、iphoneは成功したのだ。

アップル社はタイミングを捉えるのが他の企業よりも圧倒的にうまかったのだという。

 

すべてを決めるのはタイミングである。

その重要性が社長の実体験とともに細かく書かれてあった。

私は夢中になりながらこの本を読んでいった。

 

なるほど。そういうことか。

そうだったのか……

ものすごくIQが高い人が書いた文章のため、考えていることについていくのが大変だったが、私はとても考えさせられてしまった。

 

そして、タイミングの話を読んでいるうちに尊敬してやまない坂本龍馬を思い出していた。

私が「竜馬がゆく」を始めて読んだのは高校3年生の時だった。

受験勉強の一貫として、苦手だった近代史を勉強しようと思い、本を手に取ったのだ。

 

私は号泣したのを覚えている。

この人がいたおかげで今の日本があるのか……

もはや受験勉強をそっちのけで「竜馬がゆく」を読んでいた。

龍馬は日本中を走り回り、敵対していた薩摩と長州を結びつき、日本をあるべき姿に変えていった。私はそんな龍馬の姿に憧れを抱いていたのだ。

 

しかし、坂本龍馬は昔からスーパーマンのように日本中を走り回っていたわけではないのだ。26歳の頃まで、ほぼプー太郎状態である。

グータラ昼寝をしているときに、千葉道場の人から

「何で龍馬さんはいつもグータラしてるのですか?」

と尋ねられ、

「時を見計らっているのだ。まだ、動き出す時期じゃない」

と言って、時期を見計らっていたのだ。

周囲の人間は馬鹿にしていたという。

あのプー太郎が何を言ってんだ? そうヤジを飛ばしていた。

 

しかし、坂本龍馬はペリー来航や安政の大獄で激動していた幕末の日本の情勢を読み取り、人々の動きを察していたのだ。

今は動くべき時じゃない。

自分がすべきことはこのタイミングではない。まだ、時を待とう。

 

そして、ここぞというタイミングで脱藩し、ものすごい勢いで日本を変えていったのだ。司馬遼太郎は、流星の如く現れ散っていった坂本龍馬の姿を

これでもか! というくらい情熱をかけて小説で書いていった。

 

もし、龍馬が激動する幕末の日本で、あのタイミング、あの時期に薩摩と長州にコンタクトを取らなかったら、日本を変えていくことはできなかったのかもしれない。

 

薩英戦争ののちに、欧米諸国の強さを痛いほど感じたため、武士道の精神が強く頑固者が集まる薩摩と長州を動かせたのだ。

 

世の中を変えていくような人は皆、タイミングを捉えるのがうまいのだと思う。

早すぎてもダメだし、遅すぎてもダメなのだ。

 

私はそんなタイミングを計ることができるのだろうか?

しかし、ここぞという時のタイミングに向けて、今はせっせと情報を集めるしかないのかもしれない。

私はまだ、自分がやりたいことが何なのかわからない。

しかし、目の前にあることと向き合って、常に世の中にアンテナを張っていたら見えてくるものもあるのではないか?

 

 

 

普段、ビジネス書をあまり読まない私でもこの本はいろんなことを考えさせられた。

「未来に先回りする思考法」

株式会社メタップスの社長が考える未来の姿は本当に凄かった。

いつの時代も世の中を変えていく人々は常に未来の姿を予測してるのだ。